今から24年前の ナツハゼ紹介記事です。
この記事を読んで、ナツハゼ栽培を始めた方は全国に何人いるでしょうか。
果実酒は「絶品」とあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
百歳への招待 「長寿の源」 食材を追う 「ナツハゼ」
2000.06.10 57号
百菜元気新聞
百歳への招待 「長寿の源」 食材を追う 「ナツハゼ」 2000.06.10
ナツハゼ、クランベリーは、その鮮やかな色彩と甘酸っぱさから、 ジュース
やジャムに利用される。 また疲労回復、 生活習慣病予防、老化防止といった
健康効果が高く、薬材としても大いに期待できる。 (食品評論家・太木 光
-)
ナツハゼはツツジ科の小灌木の小果類で、クランベリー ブルーベリーなど
と同じ仲間。 秋の野山で熟れる小果ベリー類の中で最高の味がするというフ
ァンも多い。
日本では北海道から九州までほぼ全土でとれ、品種として一五種ほど自生し
ている。 常緑と落葉の二種あり、 後者が主流である。
樹高は一~三メートル、5~6月ごろ新梢に花序をつけ、球状の果実をつけ
る。 大きさは大豆よりやや大きい。 秋に入り美しい紅葉となるのでよく知ら
れている。
野生種のナツハゼの果実は六~七ミリと小さいが、 栽培すると七~一〇ミリ
程度に肥大し加工適性を増す。 別名を和製ブルーベリーと呼ばれ、
色彩の美しさ、濃厚な風味、 利用範囲の広さでこれから期待されよう。
ブルーベリーは輸送に弱いがナツハゼは保存性が高く遠距離輸送が可能で、
出荷期も異なるので競合も少ない。 果実は黒褐色に熟した 10月頃に採取す
るが、甘味とともに酸味がみられる。 成分としてクエン酸・酒石酸リンゴ
酸などを含み、 ビタミンC・カロチン タンニンなどに恵まれている。 この
ためナツハゼの果実酒(薬用酒) づくりが勧められる。 果実酒にすると赤ワ
インよりも美しいガーネット色 (濃紅色) に仕上がり、その色の冴えは数あ
る果実酒の中ではトップクラスといえよう。 まさに絶品である。
色彩の美しさばかりでなく、 芳醇な香味を持ち、 爽やかな酸味と渋みにもひ
らめきがみられよう。 ストレートにもよく、 カクテルにも適している。 まだ
原料事情がよくないが、 栽培が進めば産地の名物となるのは必至である。
効用として疲労回復 強壮 新陳代謝 病後の回復不眠症・健胃整腸・血
行保温浄血風邪・鎮静 食欲増進 美容・老化予防が挙げられる。 特に
お年寄りの保健酒としてもお勧めである。 作り方は簡単。 ナツハゼ五〇〇グ
ラム、ホワイトリカー ハリットル (三五度)、砂糖二〇〇グラムで漬け
込み、ほぼ一カ月で飲めるようになる。 熟成には三カ月以上を必要とする。
甘味不足であれば仕上がってから好みで調整を。 淡麗至醇の味となり前述の
薬効が期待されよう。 このほかナツハゼをジャムにするとブルーベリーに
劣らない若者の喜ぶ製品ができあがる。 酸味 色合いともよく、 名品と呼べ
よう。 またゼリー・ジュース・ヨーグルトソース・シャーベットなど広い範
囲で利用が考えられる。 色合いの素晴らしさで、他の果物のゼリーやジュー
スより優れているといえよう。 エキスを利用して和菓子作りにもよい。 冷凍
保存にも適し、ケーキ用・ヨーグルト用などブルーベリー同様の利用も可
能。 特にナツハゼのエキスは他のどの果汁よりも浸透圧が高く、 完全に密封
された瓶からでも漏れるほど。 この果汁を漬け汁として大根・人参・カブな
どに利用すると色彩のよい珍味ができる。 純国産の小果の高度利用をお勧め
する。
